フリーランスの勤務先名や勤務先住所は何が正しいのか?
申し込みや申請などで記入を求められる「勤務先名」や「勤務先住所」。会社員であれば勤めている会社を書けば良いですが、フリーランスの場合は何を書けば良いのでしょうか?
今回は勤務先名や勤務先住所を求められた場合、何を書くのが正解なのかについて徹底解説します。
勤務先名は屋号、または個人名
フリーランスになってから書類手続きの際に「勤務先名」をどう書けば良いか迷います。何を書くのが正解でしょうか?
「屋号」を書くのが最も望ましいですよ。屋号とは個人事業の名前のことです。
法人の場合は「〇〇株式会社」と名前をつけていますが、個人事業主ではそれが屋号にあたります。
屋号を書けばいいのですね!でも私は屋号を設定していないのですが、その場合はどうしたら良いでしょうか?
その場合は「個人名」を書けば良いですよ。法人とちがって、屋号は必ずしもつくる必要がないので屋号を設定していない人も多いでしょう。
ただし、個人名だと「この人はビジネスをちゃんと行っているのだろうか」「安定した収入はあるのだろうか」などの疑問を持たれかねません。そのようなリスクを避けるためにも、可能であれば屋号を設定することをおすすめします。
屋号は、つくるための手続きは特にないので今からでも使うことができます。ただし、屋号を使い始めた年からは、確定申告書の「屋号・雅号」欄にきちんと屋号を記入しましょう。
開業届を提出した時点で屋号を設定していなかった場合、確定申告時に記入することで税務署への屋号の申告が完了します。開業届に記入した屋号から変更したい場合でも、その年の確定申告書に変更後の屋号を記入するだけで良いです。
勤務先名を求められる具体的なケース
どのような場面で勤務先名の記入を求められるのでしょうか。ここからは勤務先を求められる具体的なケースを紹介していきます。
クレジットカードの申し込み
クレジットカードの申し込みでは「返済できるような安定した収入があるのか」という観点で審査されるため、勤務先名が求められます。
クレジットカードの審査では信用が大切になってきます。先ほどもお伝えしたように、個人名よりも屋号のほうが信用度は高いので、屋号を書くほうが良いですよ。
携帯電話の申し込み
携帯電話の申し込みでも勤務先名は求められます。ただし、あくまでも本人が未成年ではないかなど、契約に支障がないかを確認するためのものです。
携帯電話の申し込みでは、勤務先名は「自営業」と書いておけば問題ない場合が多いです。契約時に「勤務先を書いてください」と言われたら屋号や個人名に書き直しましょう。
ビザ申請
ビザとは簡単に説明すると、渡航先の入国許可証のこと。日本国民ならビザなしで入国できる国も多いですが、国によっては取得する必要があります。
ビザ申請の際も勤務先名や勤務先住所の記入が必要です。勤務先名は屋号か個人名、勤務先住所は、個人宅で仕事をしているなら自宅の住所を記入しましょう。
ローン審査
ローン審査の時も勤務先名を求められます。ローン審査で勤務先が必要な理由は、クレジットカードの申し込みと同様、「返済できるような安定した収入があるか」を確認するためです。
ローン審査も信用が大切になってきますので、勤務先は個人名ではなく屋号のほうが望ましいでしょう。
履歴書・職務経歴書
フリーランスとして仕事に応募した時や、フリーランスから会社員になろうとする時、履歴書や職務経歴書を求められることがあります。
そもそも、履歴書は本人のプロフィール、職務経歴書はこれまでの実績を伝えるものです。そのため、履歴書の勤務先名は情報として必要なだけであり、職務経歴書にいたっては勤務先名よりも、勤務先で何をしたかが重要になります。
履歴書や職務経歴書において、勤務先名はそれほど重要ではありません。したがって、勤務先名には屋号か個人名のどちらかを記入しておけば問題ありません。
勤務先名でNGなのは?
フリーランスでもクライアント先の企業に常駐している人は、その企業を勤務先名に書けば良いのでしょうか?
勤務先名としてクライアント先を書くのはNGです。
なぜなら、フリーランスの契約形態は「請負」や「委任」となり、雇用されているわけではないからです。
サラリーマンであれば勤務先名には迷いなく所属している会社を書けますが、フリーランスはどこにも所属していません。あえていうなら、所属しているのは自分自身ですので、勤務先名は屋号や個人名を書くことになりますよ。
企業に常駐しながら働いているフリーランスの場合でも、勤務先名として常駐先を書いてはいけません。書いてしまった場合、もし企業側に在籍確認が入ると「そんな人は在籍していない」となってしまうので注意しましょう。
勤務先住所でNGなのは?
勤務先住所の考え方も勤務先名と同じで、クライアント先の住所を書くのはNGです。自宅で仕事をしている場合は自宅の住所、事務所を持っている場合は事務所の住所を記入しましょう。
まとめ
今回はフリーランスの勤務先名や勤務先住所はどう記入すればいいかについて解説しました。
勤務先名や勤務先住所でクライアント先を書くのはNGで、勤務先名は基本的には屋号、勤務先住所は自宅または事務所の住所を書くようにしましょう。
屋号がない場合は個人名でも良いですが、場合によっては信用されにくいというデメリットがあります。まだ屋号がないという方は、特別な手続きなく今日からでも使えますので、早めに使い始めるのが良いでしょう。