大手企業エンジニアから独立。チーム「NewField」代表・松岡さんインタビュー
「会社をやめてフリーのエンジニアとしてやっていきたいけど自信がない…」
「独立し今まで会社でやっていた業務をひとりでこなせるのか不安…」
こんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
エンジニアが独立するために必要な準備とは?独立後に求められるスキルとは?
大手企業のエンジニアを退職し独立。現在はシステム開発チーム「NewField」の代表を務める松岡恵利子さんに、フリーランスエンジニアとして成功するための秘訣についてお聞きしました。
目次
会社をやめて独立するために準備したことは?
エンジニアの独立に必要な準備はとくにない!?
松岡さんは大手企業のエンジニアをやめて独立されたとのことですが、独立に向けてどのような準備をされましたか?
実は特になにもしていないんですよ。技術を磨いたり人脈つくったりなどにすごく力を入れた訳でもないですし。
私は会社員としての働き方に馴染めない部分があってもともと独立を考えていたので、フリーランスエンジニアのエージェントサイトを見たり、知り合いのフリーのエンジニアに話を聞いたりは時々していました。その中でフリーランスは会社員よりも明らかに報酬相場が高いことが分かって、「いま独立してもやっていけるな」と確信できたので、独立を考え始めてから割とすぐに退職しました。
独立初年度で年収2倍!?
独立するにあたって収入面での不安はなかったのですね。ですが、独立後はどうやって仕事を獲得されたのですか?
IT業界はエージェント会社がたくさんあるんですよ。そこに登録して案件を紹介してもらい、企業と業務委託契約を結んで働いていました。週3日の稼働でしたがそれだけでも会社員時代の年収を超えましたし、空いた時間で個人的に営業して得た案件にも取り組めたので、独立した年に年収2倍を達成しました。
エージェント経由の業務委託では、1つのプロジェクトが終わっても次を紹介してもらえるので安定的に仕事を得られるし、会社員よりも遥かに報酬単価が高いんです。名だたる実績や経歴がなくても「こういうコード作ってください」って言われた時にパパっと作れるくらいの開発スキルがあれば、案件獲得も難しくないんですよ。
チームを結成した経緯は?
独立してすぐにチーム化!?
エージェント会社を活用すれば自分で営業しなくても安定的に仕事が得られるんですね。少ない稼働時間で会社員の年収超えとは驚きです!
松岡さんは今ではフリーランスエンジニアチーム「NewField」の代表もされていますが、独立後どれくらいでチームを結成されたのですか?
私は最初からチームで働くことを想定していたので、独立直後からすでに個人で受けた案件にチームで取り組んでいました。知り合いやコワーキングスペースで出会った方に声をかけたりクラウドソーシングを使って募集したりして、都度仲間を集めながらやってきた感じです。
そうして繋がった方々と一緒に「NewField」を結成し、今では日本だけでなく海外も含め20人程のメンバーで頑張っています!
*「NewField」さんのチームプロフィールはこちら
チーム化することを前提に独立されたのですね。20名いるチームメンバーとはどのような役割分担で動いているのですか?
基本的には私が営業して案件を獲得してきて、得意分野や稼働時間を踏まえてベストなメンバーをアサインしています。最終的な品質チェックや納期管理、クライアントとの打合せや顧客折衝は私が担当しています。
マネジメントスキルは経験あるのみ!
松岡さんはプロジェクトマネージャー(PM)の役割なのですね。会社員時代からPMのご経験があったのでしょうか?
IT業界では2〜3年目ぐらいからステップアップのひとつとして、チームリーダーやPMを任されることが多いんですよ。私も社会人2年目にPMになって、海外エンジニア5名と共にプロジェクトを回す立場を6年間くらい経験しました。
あとは、会社員時代に副業で物販事業をやっていた時期があるんですけど、その時もメンバーを集めてそれぞれに仕事を割り振って取り組んでいたので、チームで仕事を回すといった経験は多く積んできたほうだと思います。
会社以外に副業でもチームで仕事を回す経験をしてこられたのですね。その中でメンバーをまとめる力やチームをマネジメントする力を身につけられたのですか?
そうですね。特に副業でチームを組んだ経験は、私にとっていい勉強になりました。というのも、当時の私はお願いした仕事が自分の期待通りじゃなかった時に「相手の能力が足りないんじゃないか」と思ってしまっていたんです。
でも突き詰めて考えたら「そもそもこの単価でなんでもやってくれる人なんているわけない」って気づいて。そこから、支払う報酬と相手に求めるスキルの釣り合いを意識したり、想定以上の働きを発揮してくれる人には報酬UPしてきちんとお返ししたりするようになりました。
メンバーひとりひとりを「仲間」としてリスペクトし、感謝する大切さを身をもって学んだ経験ですね。
チームで働くことに対して、いろいろ試行錯誤しながら取り組まれてきたのですね。
そうですね。マネジメントってとても大きく言うと「政治」だと思っていて。人にいかに動いていただくか、いかに人の力をお借りできるかという話で、これは本で学んだらできるようになる事ではないと思います。実践で傷つきながら色々やっていくしかないんだと思うんです。
チームリーダーとしてのあり方は?
私はポンコツ、だから皆んなの力が必要
会社や副業でチームで取り組んだ経験があったからこそ、独立後もチームでやっていこうと思われたのですか?
そもそも私1人では大したものは作れないんですよ。だから独立当初からチームでやっていくつもりでした。
チームでやると言っても、私はカリスマみたいに皆んなを引っ張っていくタイプではないし自分に能力がないことに気づいてるので、「私はポンコツだからあなたの力が必要なんです」という感じでメンバーに頼っています。私1人では超えられない壁をどんどん超えてくださる頼もしい仲間たちには感謝しかないですし、とても尊敬しています。
うまくいかない時は「他責」ではなく「自責」で考える
リーダーとメンバーがお互いに信頼しあっているのが伝わってきます!そんな中でも、メンバーとのコミュニケーションがうまくいかなかったり、仕事がうまく回らなかったりすることはありますか?
メンバーに依頼した業務の仕上がりが自分が求めていた通りではなかったり、ミスが生じてしまったりすることも時々あります。
でもこの原因って「自分のお願いの仕方が悪かった」「自分の確認の仕方が悪かった」「相手のスキルとマッチしない業務を依頼した」のどれか。つまり、相手ではなく自分に原因がある場合がほとんどだと思うんです。なので私は、依頼や確認の仕方を工夫するようにしています。
具体的にどんな工夫をしているのですか?
例えば、仕事を任せる時は「この人はここまでならできる」と予想し相手のスキルに合った内容を依頼したり、仕上がりをチェックする時は「この人はここで躓きやすそうだな」と予想して確認したり。チェッカーの役割を自分だけじゃなくて別の人にもお願いすることもあります。
また、メンバーによって性格や経験値は異なるので、ざっくり依頼しても自分で考えて進められる人の場合はできるだけ相手に任せますが、ざっくりした指示では動きにくいという人の場合は「まずはこれして、次にこれして、その段階で一度報告ほしい」という感じで作業レベルまで落として依頼するようにしています。
今後目指していきたいチームの姿とは?
チームを法人化、そしてさらなる高みへ
「NewField」さんの今後の展望を教えてください。
今後はチームを法人化して顧客からの信頼度をさらにあげ、大きな案件を増やしていきたいと思っています。
また、受注したプロジェクトで開発したシステムが汎用的に他の企業や個人にも役立ちそうなツールの場合は、ウェブ上に落とし込んで誰もが使えるサービスとして立ち上げることにも挑戦していきたいです。
エンジニア独立は今が最後のチャンス!
最後に、フリーランスエンジニアを目指してる方への応援メッセージをいただけますか?
エンジニアは売り手市場ですが、最近は「AIが発達してプログラマーがいらなくなる」なんてよく言われていますよね。ですが、その状況になるまではまだ少しラグがあるはずなので「今が本当に最後のチャンスかも!?」と思ってぜひ挑戦して欲しいです!
もし上手くいかなかったら会社員として再就職するのも悪くないと思いますし、私自身もそう思ってやっています。私も頑張りますので、皆さんも一緒に頑張りましょう!
*「NewField」さんのチームプロフィールはこちら
エンジニアとして独立するには何か特別な準備が必要だと思っていましたが、エージェント経由で安定的に案件を得ることもできるし、仲間を見つけてチームで取り組むこともできるのならば、思いきって独立するのも怖くないのかもしれません。
「人に仕事を振るのは苦手…」という方もいらっしゃるかと思いますが、松岡さんが実践されている工夫や考え方を真似しながら、チームで働くことにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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